“months”は”Noto Sans JP”を使用しています。
Noto Sans JPは、AdobeとGoogleによって共同開発された日本語書体です。Adobeでは「源ノ角ゴシック(Source Han Sans)」として、Googleでは「Noto Sans JP」という名称で公開されています。初めてこの書体が世に出たのは2014年のことで、それ以来、Noto Sans JPは日本語のUI(ユーザーインターフェース)における代表的な書体のひとつとして定着し、広く使われるようになりました。
「Noto」という名称には興味深い由来があります。一つにはラテン語で「書く」「印をつける」「メモを取る」といった意味を持つ noto という単語に由来しているという説があります。また、もう一つの由来は「No Tofu(豆腐を表示しない)」というコンセプトに基づいています。ここでの「豆腐」とは、フォントが対応していない文字が表示された際に現れる四角い置き換え記号のことを指します。つまり、Noto Sans JPは、世界中の言語を表示できるように設計されており、”文字が表示できない”という状況を極力排除することを目的としています。

Noto Sans JPが広く使われる理由
Noto Sans JPが多くのユーザーや開発者、デザイナーに支持されているのには、いくつかの明確な理由があります。
■ ライセンスが非常に使いやすい
このフォントは「SIL Open Font License(OFL)」というオープンなライセンスのもとで無償公開されています。このライセンスの下では、個人・商用問わず自由に利用・配布・改変が可能であり、WebサイトやアプリケーションのUIデザインにおいても問題なく使用できます。また、Webフォントとしても提供されており、Google Fontsなどを通じて手軽に導入できるのも魅力です。
■ 豊富なウェイトとバリアブル対応
Noto Sans JPは、極細から極太まで10段階のウェイト(太さ)を持っており、細かなニュアンスに応じて最適な文字の重みを選択できます。さらに、「バリアブルフォント」としても利用可能になっており、ユーザー側で自由にウェイトを調整することも可能です。これにより、デザインの一貫性を保ちつつ、より柔軟な表現ができるようになりました。
■ 収録されている文字数が圧倒的
Noto Sans JPは、世界中の言語に対応するというNotoプロジェクト全体の理念のもと制作されています。日本語においても、一般的に使われる漢字はもちろん、JIS規格に基づいた膨大な文字数が収録されており、日常的な文章だけでなく、専門用語や固有名詞なども難なく表示できます。フォントに含まれていない漢字が表示できないというような問題は、ほとんど起きないと言っていいでしょう。
■ デザインの完成度が高い
Noto Sans JPのデザインは、Adobeの書体デザイナーである西塚涼子氏が中心となって手がけたものです。日本語の美しさと読みやすさを兼ね備えた設計になっており、プロフェッショナルな現場でも安心して使える品質を誇ります。角ばったモダンなフォルムは、紙媒体にもデジタル媒体にも自然になじみます。
UIに適した書体とは
ユーザーインターフェースで使用する書体には、何よりも「読みやすさ」が求められます。この「読みやすさ」は、さらに次の3つの観点から成り立っています。
■ 視認性
画面を見たとき、文字が瞬時に目に入ってくるかどうか。つまり、パッと見てすぐに何が書かれているかを認識できるか。
■ 可読性
文章全体として読みやすく、読み続けやすいかどうか。長時間の使用に耐えられるかどうかもポイントになります。
■ 判読性
似たような字形の文字(例:「シ」と「ツ」、「口」と「ロ」など)を間違えずに判別できるかどうか。
Noto Sans JPは、これらすべての要素を高いレベルでクリアしています。そのため、スマートフォンやタブレット、PCなど、多様なデバイス上でのUIにおいて、非常に優れた日本語フォントの選択肢となっているのです。
Google Fonts : Noto Sans Japanese